マセラティ3200GT(届出型式番号:GF-338)の詳細説明
このマセラティ3200GTこそ、フェラーリ期に入ってから企画された、まったく新設計のマシンであると云えましょう。そこには、もはやデ・トマソ時代の ビトルボシリーズの痕跡は、よくも悪しきも、ほとんど残っておりません。このマシンは見た目こそ獰猛且つ流麗なスーパースポーツカーのそれですが、その名にいみじくも「GT」と名乗っているように、 マセラティ社がメーカーとしてこのマシンに与えた性格付けは「生粋のグランツーリスモ」であると考えるべきでありましょう。
直線道路では、その圧倒的パワーとトルクにモノを云わせた「離陸感覚」。現代の高性能マシン(例えば、マセラティ グランツーリズモSのような)では不可欠となっている各種電子制御デバイスの装着もまだまだ未成熟な段階の時期に生を受けたため、乗り味は意外にも豪快。もちろん、 混んだ市街地を「デレデレ」と「馬なり」に走リ続けても、ぐずらない「エンジン制御」は、この超高性能車にあっては見事のひとこと。一たび空いた高速道路に出れば、 どこまでも走って行きたくなります。
私見ですが、このマシンに関しては、超扁平タイヤと18インチ鋳造アルミホイールの重量がいかにも重過ぎると感じます。せめて、 メーカーオプションで超軽量鍛造ホイールの設定があればと悔やまれます。バネ下重量を軽くすれば、「峠のダンス」も楽しかろうに。車体をリフトアップしてみると、 デ・トマソ期やフィアット期のどのモデルよりも、足回り部材の軽量化・高級化が徹底しているのが分かるだけに(ホント美しい足回りです)、もう100万円高価になっても 軽量ホイールは欲しかったところです。
ともあれ、どこから眺めても美しく、乗って豪快な持ってて嬉しいマシンです。ビトルボ一族の最終ランナーとして、長く後世に残る
マセラティになりそうですね。信頼性が上がった分、中古車市場では「過走行車」が増えてきています。価格も落ち着いてまいりましたが、安いだけの劣悪な個体には注意が必要です。一度手に入れてみたい向きには、お早めのご購入をお奨めしておきますとともに、その節はマセラティ専門店に御相談を賜りますようお願い申しあげます。
ご購入にあたっては、こちらを併せて御参考にして頂きたいと思います。→マセラティ3200GTの買い方(弊社ブログ記事)