このコーナーでは、ガンディーニのクアトロポルテ、ブレーキ関係の話をしてまいりましょう。
ガンディーニのクアトロポルテでは、ブレーキ周りは大別して・・・、
①:最初期型・前期型のV6
②:エボ前の後期型~エボのV6・V8全部
に分かれます。
①の時期はローターがブレンボ(伊)製、キャリパーがAte(独)製です。キャリパーにはクロメートメッキ(薄い金色)で表面処理がしてあるのが特徴です。
②の時期はローターがドリルド(放熱穴あき)ローターとなり、キャリパーも変更されます。原則的にローター、キャリパーともにブレンボ製になってます。
基本的にキャリパー色はツヤあり黒で、「Maserati」の筆記体書体のロゴが入ります。エボの中でも、コーンズセリエスペチアーレ仕様では、
新車オーダー時にカラードキャリパーオプションがありましたので、色とリどりのカラーバリエーションがあり得ます。
尚、「ビトルボマセラティの車種構成」コーナーの「ギブリ」の項にもあります、ギブリ最終期のモノ同様に、この「エボ前の後期型」の製造時期のものは、フロントがブレンボで、
リアがAteになってるといった「混在車」や、ほかのすべてがハッキリと「エボ前の後期型」であるにも関わらず、前後ともにAteキャリパーが付いているものも複数台確認済みです。
また、全型を通じて、ABSは標準装備ですが、①時期と②時期ではユニットの互換性はありません。メルセデスなどにも採用されてきたボッシュのユニットですから、 430後期型についていた「Ateユニット」のようなトラブル(ABSセンサーが汚れやすく、たびたびABS警告灯が点く)は絶無で、非常に信頼性は高いと云えます。
①時期のものは、ABSを除いては基本的に222時代の理念を継承するもので、根は「BMW用」と思ってください。信頼性、部品価格ともに、リーズナブルで、ブレーキの鳴きも少ないです。
②時期のものは、見た目は派手でカッコいいのですが、制動性能はともかくとして、ブレーキの鳴き音に悩まされる場合があります。これは、ブレンボ製ブレーキのまさに「泣き所」とも云える特性で、
基本的にはあきらめて欲しいところです(それでも、当店では、可能な限り音が出ないよう、パッドの面取り加工などを施す場合があります)。また、消耗品のローター&パッドは現在高騰中です。
そもそもベンチレーテッドディスク(ローター中心部より、円周方向に向って放射状に放熱孔が逃がしてある構造)である上に、ドリルドローター(パッドの当たり面から裏側に貫通するように、
幾つもの孔があけてある構造)ですから、ローター表面研磨も一回しかできないでしょう。原則的には、新品交換が好ましいです。
倍力装置(サーボ)であり、ブレーキ系統油圧の心臓部であるところの、マスターシリンダーやマスターバッグは、デ・トマソ期の「Ate」製に較べますと、耐久性が向上しているように感じられますが、 経年が進んでいるので、そろそろ問題が出てくるかもしれませんね。
制動力はどのタイプを選んでも、申し分ないレベルだと思います。タッチも悪くありません。
蛇足ながら、V8車には、ブレーキシステムにディーラーリコールが出ている模様です。当店以外でクアトロポルテをお買い求めで、未対策の方はディーラーさんにご相談をしてみるといいでしょう。
クアトロポルテと暮らしてみませんか・・・オルタネータースターターモーターについてにホントは続くのですが、この先しばらくの間工事中です。(ホントすいません!)
そのまた先の当コーナー続きを見たい方は、
クアトロポルテと暮らしてみませんか・・・エピローグに続く
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