「えー、きょうのお題は・・・、なんだったっけ(笑)?」と、毎日がこういった感じで、当店のブログはいきあたりバッタリ、「一切の下書き無し」で書いてるもので、 文章の趣旨は、もー、アッチへ行ったりコッチへ行ったりとしておりますから、「つまるところ、ナニが云いたいわけ?」といった突っ込みのひとつも入れたいところでしょうけれども、まあ、 「イタリア車好き」の方々の仕事の息抜きや疲労回復・滋養強壮の一助になればという思いで、それでも、懸命に書き溜めてまいりました。
しかしながら、このブログの「真の目的」は、「世界征服のため(笑)」などでは当然なく、少なくとも、「自動車趣味人」の方々と、そうなりたいと願う予備軍のために、 「ビトルボマセラティの魅力や思想」をコアにしつつも、深遠かつ「おバカな」自動車趣味それ自体の「面白さ」や「楽しみ方」を共有するためにあり、さらにこの先も「楽しい自動車趣味の世界」 が未来に続いていくものでありますように念願しつつ、粛々と書き進めてまいります。というわけで、これからも場合によっては、文章の趣旨がどんどんマセラティから離れて行っちゃう場合もあるので、 「現在マセラティ乗り」のお客さんの情報蒐集の欲求には、お応えできないコトもありますが、あんまり、「ビトルボねた」ばっかりだと、マセラティに興味の薄い「ブログ訪問者」からソッポを向かれる可能性がありますので、 そこはそれ、外堀り、内堀りウメながら、「コッチの世界(笑)」に来てもらえるよう、じーっくりと時間を掛けての説得を試みようと思っておりますゆえ、「ビトルボフリーク」のお客さんには、今後ともご理解とご協力の程、宜しくお願い申し上げます。
あー、それから、「マイクロ・デポの技術力」なんて、ハッキリ云って、たいしたコトはありません。もっと、もっと、腕の立つお店(ヒト)や、高レベルのサービスを実施しているところは、 この日本国内にも大勢いらっしゃると思っています。当店は、どんなにお客さんからホメられても、「ああ、この仕事やっててヨカッタ。嬉しい!」とは思いますし、そのお言葉が次の仕事への モチベーションアップに繋がるので、もちろん有難いと思いはしますが、決してウヌボレはしません。本当に心底「まだまだ序の口」であると思っております。「魅力のある商品車」と 「それに付帯するアフターサービスの充実」には、その時その時、最高レベルの情熱をもって心血を注いでいることは間違いないですが。
自動車趣味のお店を標榜する以上、お客さんに「夢」を見てもらえるようにするのは、絶対条件の一つだと考えています(それは、ものすごく分かってる。で、日ごろ切歯扼腕してる)。 だけど、きれいなおねえさんもいなければ、モダンなショールームも持たないマイクロ・デポには、「にわか超セレブ層」顧客は近寄りもしません。また、そういった方々には「モノ造りの苦労話」なんて、 まずもって興味を抱いては頂けないでしょう。そういった実態こそ、私達が「超一流ではない」証だと思います。しかしながら、マイクロ・デポには、それを暖かく見守ってくださる心強いお客さん方とその予備軍がいらっしゃる。 そのお客さん方が、その愛車とそれがもつ趣味性の楽しさを日々のストレス解消にでも役立て、生きがいの一つに加えて頂くことにより、勇気百倍、お仕事を充実させ、ひいては出世もし、ご商売も地道に繁栄させて頂いて、 「いっちょ、またマイクロ・デポでも行って、くだらねー車でも買うか」となってくれれば本望なんです。その時までに、私達はどんなご要望にも(原理主義を貫きつつ:笑)お応えできるよう、日々の精進を続けてまいります。
イタリアは、よく巷で「デザインの国」と云われています。もっとも近年では、イタリア製品は、そのデザインはたいへん良いのだけれども、往々にして、品質・性能が伴わないことが多いことから、 若干揶揄の意味が込められている場合もあるようです。けれども私達は、あえて、こう云いたい。「デザインは性能のうち」であると。
近頃は何かにつけて「エコ」だ「エコ」だと云いますが、納車のその日に飽きるデザイン(それは早期の買い替えを誘発する)の凡庸なクルマを溢れさせておいて、また、その製造時に大量の鉄板と 合成樹脂を必要とする表面積の広大な形状の「ミニバン」と称する実は巨大なクルマたち(7人乗りのクルマに1人か2人で乗ってるのをよく目にするけれども、せめて軽にしろ!と叫びたくなる時ありませんか) をブームにしておいて「エコ」もないもんだと思います。
まだまだ使えるクルマたち(見た目も中身も全然終わってない)をどんどんお払い箱にするなんて、それこそもったいないもいいところだと思いませんか。また、カタチのいい物に囲まれた生活は、 たとえシンプルでもビンボーくさくなりません。使い慣れたグッドデザインの万年筆(いや300円の良く出来たボールペンでもいい)は、100円ショップのインクがすぐに出なくなるボールペンとは、 設計の思想、材料の吟味から根本的に違います。ライター、ハサミ、カッターナイフ、缶きり、みんな同様。
最近では日本の一流ブランド電気製品も、海外生産の廉価品を、特に「一円でも安く」と、安売りで鳴らす大手小売店で購入した場合には、信じられないくらいに早い時期に壊れていくような気がします (これはあくまでも、ワタシ自らの体験からくる私観に過ぎませんが)。それがまた、さして酷使もしないのに、ハンで押したように保障期間のちょうど終わった直後「1年と一ヶ月」でぶっ壊れるもんで、 ネラってやってるんだったらスゴイ技術力だよなあ、と、むしろ感動すら覚えます。
そのような使い捨ての思想は、「豊かさ」の実感を生みません。コンビニで買った弁当も、キチンとした器に移しかえて食べれば、「ちょっとは嬉しい」ものです。なんでも、目先の金額の高い安い「だけ」で モノを選ぶのをやめたら(まっ、自分もなんですけどね:笑)、ちょっといい物を手に入れて大事に使うようにすれば、もっと「豊かさを実感」できると思いませんか。悲しいかな、人間には、「飽きる」とか、 「マンネリ」とか、と言った習性があるようです。ですから、よく「一生もの」なんて言い方がされますが、長寿になった昨今、現実に一生使われる事、ましてや、代々受け継がれて使われるモノは非常に少ないと思われます。 クルマはその価格が高いわりに、長期間維持するには消耗品も多く、流行にも過敏で、とても一生ものには出来そうもありません。それがまごうことなき現実です。けれども、「一生もの」の思想、「モノを大切にする心」は大事にしたいじゃありませんか。
イタリアンデザインの精華は、「ひと目惚れ」させるパンチ力。「厭きる暇(あきるいとま)」をあたえない内面からにじみ出る濃密さが身上です。私達はその誕生以来、初めて幕張の外車ショーで 「お立ち台」に麗々しく飾られた雄姿に心躍らせてこのかた、「ガンディーニ・クアトロポルテ」の信奉者になってしまいましたが、現行の「ピニンファリナのクアトロポルテ」とはまた違う魅力の「オブジェの力感」 「手作りの温もり」ある造形力は、いささかの旧さも感じさせません。この魅力を一人でも多くのヒトに味わって頂きたいと念じて、経年により、買いやすくなった今こそ、高品質リーズナブルプライスで「ガンディーニのクアトロポルテ」を一生懸命供給してまいります。
思えば人生は一度きり。耐久消費財の自動車を一生のうちに何台乗り換えることができましょう。願わくば「一生もの」足りえる様な「厭きない」クルマ造りを目指していきたいものだと念じつつ、本コーナーを締めさせて頂きます。長時間の読破、本当に有難うございました!
「VIVA!Italiano」
「VIVA!Maserati」
「VIVA!Gandini’s Quattroporte」